金融コラム

退職金を現物支給する~続編~

「退職金を現物支給する~続編~」

前回に引き続き中小企業や医療法人のオーナー様向けに「生命保険を退職時に現物支給する」メリットについてお伝え致します。通常「退職金の現物支給」は貯蓄性のある生命保険や資産価値のあるものを現金の代わりに支給することをイメージしますが、「貯蓄性のない医療保険」を法人名義から個人名義に替えて受け取ることでも効果を発揮する場合があります。

●一生涯の医療・ガン保障を現物支給する

企業オーナーであっても、医療保険などは個人契約で加入するのが一般的です。これば法人契約した場合、万一入院した際などに支払われる給付金は法人に支払われるので、実際の医療費などに充てることが出来ないためです。しかし、大半の入院・介護・ガンなどは比較的高齢になってから集中することが多いかと思います。

健康なうちに終身タイプの医療保険を契約し払込期間を5年や10年等の短期払いに設定します。一生涯分の保険料を法人の経費として支払ってもらい、個人契約変更後は「保険料の支払いがなし」で継続することが出来るのです。当然個人の契約ですので、その後の入院等の給付金は個人で受け取ることが可能です。

名義変更の際は解約返戻金があれば相当の金額で個人が法人から買い取るか退職金の一部となりますが、解約返戻金がないタイプや少額であれば、個人負担なし、または少額で一生涯の保障を手に入れることが出来ます。

この場合、解約返戻金が多く貯まっていれば個人での買い取り額も大きくなりますので、むしろ掛け捨てタイプの保険が有効です。

名義変更は退職時に限らず可能ですし、死亡保障の保険でも同じような手段を講じることが可能です。

起業オーナーは私財を投じて会社を起こし経営している為、個人の保険などが手薄になっているケースが多く見受けられます。老後の個人保障を法人で用意するということも検討されてみてはいかがでしょうか?

 ※法令や制度その他データについては、資料作成時点で一般的かつ信頼できる情報に基づき作成されておりますが、実際の税務や法令については弁護士、税理士にご相談ください。

『もっと楽しく仙台発・大人の情報誌 りらく』2018年4月号コラムより

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