遺産分割を円滑にする「代償交付金」 相続財産には、現金・預金や有価証券(上場株式)など相続開始時に相続人で分けやすい財産と、事業用地などの不動産や中小企業の自社株式など相続人の間で分けにくい財産があります。医業の経営者様や中小企業のオーナー様の場合は、現金・預金よりも事業用地や自社株(出資金)の評価が高額になっているケースが多くみられます。事業用地や自社株の大半は後継者となるお子様に相続させる場合がほとんどですので、他のご兄弟との間に相続財産の偏りが発生します。親心としては、相続でお子様達が争うことなく、財産を分けられるよう準備をしておきたいと思われることでしょう。 そんな時に遺産分割を円滑にする資金を「代償交付金」と呼びます。事業用地や自社株(出資金)などを後継者にまとめて相続させて、後継者から他の相続人に金銭(代償交付金)で支払うという形です。とはいえ、後継者にはそこまでの現金・預金を持っていないケースが多くありますので、下の図のような形で、代償交付金の原資を作るために生命保険の機能を活用することが有効です。生命保険の死亡保険金の受取人を後継者に指定することで、後継者は保険金を受け取った後、その保険金を原資に他の相続人に対して代償交付金を支払うことが出来るのです。少々複雑に思えますが財産の道筋をひとつずつ決めていけば「争続」を避けることが出来ますので、活用されてみてはいかがでしょうか? ※法令や制度その他データについては、資料作成時点で一般的かつ信頼できる情報に基づき作成されておりますが、実際の税務や法令については弁護士、税理士にご相談ください。 『もっと楽しく仙台発・大人の情報誌 りらく』2017年12月号コラムより |